今日は研究について書いていこうと思います。
研究留学を始めてはや3ヵ月が経ちましたので僕が知っている範囲で日本とこちらの違いをまとめてみようと思います。
1, 日本での研究
日本の研究室には教授の下に准教授、助教、ポスドクと呼ばれる雇用されているスタッフがいます。
常に研究するときはこういった方々からアドバイスをもらいつつ、時にはブラックな量の研究をしていくわけです。
まあいい意味では教育がしっかりしているとも言えますね。
そして、日本は修士(マスター)と呼ばれる学位と博士(ドクター)と呼ばれる学位が明確に分かれておりそれぞれ修士2年、博士3年という形になっています。
日本では修士はもちろん、博士の学生ですら学費が発生します。
博士はTA(ティーチャーアシスタント)などをすることで学費分はお金が返って来る場合が多いですが、それでもほとんどの場合自立できる経済力は得られません。
正直、日本の企業は博士積極採用を謳っている企業も多いすが、僕個人の考えでは修士卒が一番重宝される印象です。
そのため日本で博士を取得する学生は激減。
これからの日本の化学は衰退の一途を辿ると考えられます。
2, カナダ(海外)での研究
これは現在僕が所属する留学先の研究室の話ですが、教授の下に准教授も助教もいません。
ポスドクは6人いますが、日本のようにしっかり指導してくれる人はいません。実質ポスドクの経験を積んで成果を残せば海外では自身の研究室を持てるようです。
そのため嫌でも学生は自分で考える力がつきます。そして日本のようにコアタイムなどなくみんなライフワークバランスを大事にして研究しています。
それでもハイレベルな研究ができるのは、やらされているという感覚よりも自分で考えてフレキシブルに研究することで効率的に研究が行えているということだと考えています。
フレキシブルとはいえ、もちろんやるときは長い時間研究したり、研究に泊まりこみでやる海外の方も結構いたりします。その代わり毎日ハードワークを続けるのではなく、休むときは休みバランスをとっています。
さらに海外の大学では学部を卒業したら2年かけて修士をとるか5年かけて博士を取るか選ぶことができます。進学するほとんどの学生がこの時点で5年生のドクターコースを選択するため、ほとんどマスターという身分はこちらでは価値がありません。
ちなみにこちらの博士は年間250万程度収入があり、学費も免除なので実質日本の修士と博士課程を取る間に既に学費を払うどころか、収入を得られるという仕組みになっています。
それは日本で博士取るのが厳しいわけです。
あんなに一生懸命研究して収入がないどころか、学費まで払うなんて、、
なかなか厳しい世界だと思います。本当に。
3, 日本と海外の違いまとめ
それでは最後に日本と海外の違いを簡単に書きたいと思います。
・日本修士課程を終えてから博士課程なのに対して海外は博士課程に直接行ける(修士論文が必要ない)。・日本の博士では収入はないが、海外では収入がある。・日本では研究の軌道修正を研究室のスタッフがしてくれることが多いが、海外では自分で考える力が無いと生きていけない。
こんな感じです。
経済的にもライフワークバランス的にも海外でドクター取るのはとてもいい選択だと思います。是非博士を取る予定がある方はチェックしてみてください。