という人のために今日は塩素系の殺菌・消毒について解説していきたいと思います。
アルコール消毒の記事も以前書いていますので興味があれば是非!
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最近よく見かける塩素系殺菌消毒の商品
塩素系の殺菌消毒商品最近よくみかけますよね。
実際どんな物なのか化学系の知識を生かして自分なりの考えを書いてみたいと思います。
僕が個人的に気になっている塩素系の殺菌消毒製品はこちら⇓
・首掛け二酸化塩素配合除菌カード
・クレベリン
僕が最近気になっているのはこれらの商品。
それでは一つ一つ見ていきましょう。
次亜塩素酸水の評価
こちらはシンプルにキッチンハイターなどの漂白剤の濃度を薄めたもので除菌・殺菌消毒能はかなり高めと考えてよいかと思います。
ただ、塩素系は人体に害があるので口にしない事。
また手にかかるとかぶれる方も結構いるので使用には注意が必要です。
手洗いには使わないこと!
部屋などの除菌にはもってこいだと思います。
次亜塩素酸水の作用の仕組み
さてここで次亜塩素酸水がどのように働いているのかを紹介します。
本来塩化物イオン(塩素)はCl⁻のような陰イオンの形で存在しています。
例えば食塩はNaClで水中でNa⁺とCl⁻にわかれます。
次亜塩素酸水はそうではありません。このCl⁺というイオンは非常に不安定であるため安定なCl⁻になるためにすぐになにかと反応したがります。
というような過程を踏みます。
除菌や殺菌用に使うようにしましょうね!
首掛け二酸化塩素配合除菌カードについて
これが僕の中ではおすすめできない商品。
↑これです。個人の自由ですが、僕は買わないことをおすすめします。
なぜなら化学的根拠に欠けるから。
もちろん信じる人は信じてみてもいいかもしれませんが個人的には気休め程度の商品かと考えています。
首掛け二酸化塩素配合除菌カードの仕組み
こちらの裏の成分表を見てみると入っているものは二酸化塩素発生剤として亜塩素酸ナトリウムと天然ゼオライトのみ。
さてこちらの二酸化塩素はラジカルといわれる一般的にかなり反応性が高く不安定な化学種です。
工業的には強い酸を使ったり加熱したりと、かなり強めの条件で作られているようですが
常温常圧しかも中性条件でどうやってこの亜塩素酸ナトリウムとゼオライトから発生させるのでしょうか。
僕は絶対に無理だろうと考えています。
ゼオライトは多孔性の結晶性アルミノケイ酸塩と定義されており、触媒などへの応用がされているため、企業によって可能だと謳っているところもあります。
しかし僕が調べたところ、同じような方法(亜塩素酸ナトリウムとゼオライト)による二酸化塩素の発生量はppb(パーツパービリオン)というppmよりもさらに低濃度の発生であり、密閉空間の除菌・殺菌には効果ありというデータを見つけました。
つまり首から下げていたところでほとんど効果はないと考えます。
しかも二酸化塩素は空気よりも重い淡黄色の気体と表記されているので、発生しても自分の顔周りの除菌等はできないでしょうし
人体にもかなり悪影響があるので、仮に大量の二酸化塩素が発生しているのであれば今すぐ着用はやめるべきです。
といった具合にかなり矛盾がある商品だと考えています。
あくまでも僕個人の考えなので、そこはご了承ください。
クレベリンについて
こちらはさきほどの首掛け除菌カードと同じ二酸化塩素を使った除菌方法を使っているもの。
とお思いかもしれませんが、こちらは個人的に効果ありそうだと考えています。
理由は後で少し詳しく書きますが、二酸化塩素の発生方法が根本的に異なります。
かなりたくさんの種類があるのでみてみてください。
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ただかなり安全には留意するように書いてあるのでやはり直接人体には使わないように気を付けましょう。
こちらのクレベリン、置き方やスプレーがありますが局所的に除菌するならスプレー。
家を密閉していて菌が密集しそうという場合には置き方がいいかなと思います。
クレベリンの仕組み
じゃぁなんでクレベリンは効果あるの?って話になると思いますが
こちらは二酸化塩素の発生過程をこの容器内で行うのではなく、そもそも二酸化塩素の水溶液を用意しているからです。
二酸化塩素は気体ですが、水への溶解性が非常に良いとされています。
もちろん先ほども述べた通り不安定であるため開封後は早めに使用することをおすすめします。(不安定=反応性が高いため除菌殺菌能力も高いと考えてください。)
置き方の物は徐々に水分が蒸発することによって水に溶けきれなくなった二酸化塩素が少しずつ気体になっていくという仕組みです。
僕個人の考えだと、こちらの商品はある程度信用できそうだという見解です。
正しい知識で有効な製品を使おう
以上のように塩素系消毒製品について紹介してきましたが、科学的根拠の少ないかなり悪質なものも広く普及しているように感じます。
なんでも試してみようという気持ちは分かりますが、少し怪しいなと思ったら一度考え直してみましょう。
いざとなったら従来確立しているアルコール消毒などの手段を選ぶというのもいい選択なのではないかと僕は考えています。
それでは少し難しい内容になってしまったかもしれませんが本日はここまでにします!